実は彼とは留学先で出会い、尾崎豊がきっかけで仲良くなりました。
今回はそんな私たちのなれそめについて書きます。
当為
彼くま
留学当日、突然の出会い
21歳のとき、私は留学をしました。
1人で海外に行くのは初めて。
漠然とした不安や緊張はありましたが、まあ何とかなるだろうと思ってかなり淡々と出国。
こういう胆の据わりようはどこで手に入れたのやら。
留学先の大学の最寄り駅につき、大きなスーツケースを引きずりながら、さて受付の場所はどこかなと迷いながら歩いていました。
すると後ろから声を掛けられました。
「ここの大学の留学生?」
は、はい。
「どこから来たの?」
日本です。
「あ、僕もです。」
同じ留学生の日本人青年に遭遇し、一緒に受付まで行くことに。
ヨーロッパの石畳にスーツケースを引きずりながら、なんとか到着。
一通り説明を受け、声を掛けてくれた彼と談笑をしていました。
察しの良い読者さんは、もうなんとなくお気づきでしょう。
駅前で私に声を掛けたこの青年が現在の彼氏だと。
噂の巨大な棒をお持ちの彼氏だと。
実は違います。
彼氏になるのは…
こいつだ!!!!
「あっ、おーい!
あ、あの人知り合いなんです。」
そう言うと彼は、受付時間ぎりぎりに入室してきた日本人の青年(彼くまくん)をこちらのテーブルに呼び寄せました。
軽く自己紹介を済ませたあと、みんなで話をしていました。
このとき彼くまくんは当為を見て、
まさかの一目惚れ。
どちゃくそタイプだったようです。蓼食う虫もむしゃむしゃ。
そのあと保険の受付の列に並んだのですが、彼くまくんは当為に質問攻撃を決行。
このときの彼くまくんは海外慣れしてるテンション高い陽キャという印象だったので、話しかけられて正直めんどくさいと思いましたし、きっとこの人とはもう話すことはないだろうなと考えていました。
彼くま
当為
まさかの尾崎豊
数日後、履修説明会を終えた私は仲間と昼食に行きました。
あ、
もちろんそこにヤツもいました。
食事を済ませた後、みんなで川沿いの堤防に座って会話をしていると、彼くまくんが隣に。
わーまたこいつかーと心の中では思っていましたが、とりあえず言葉を交わしていると、話題は音楽の話になりました。
「どんな音楽を聴くの?」
一番好きなのは、尾崎豊かな。
すると突然隣から私の肩にこぶしが飛んできました。
彼は私の肩に力強くグーパンチを食らわせながら満面の笑みでこう言いました。
「僕も聴いてたよ!!」
私はぽかんとしました。理由は二つ挙げられるでしょう。
まず一つが、どうして私は殴られているのか、ということ。
好きな音楽を聞かれて答えたら殴られるなんてイミフにもほどがあります。
そしてもう一つが、はるばる異国にまでやってきて、2010年代の大学生同士がまさかオザキユタカで繋がるなんて思いもしなかったからです。
彼くま
当為
「えっ、その曲知らない…聴かせてよ。」
尾崎豊に関しては未発表曲からライブ映像までほぼ網羅している私と比べ、彼は10代のアルバム3作くらいしか聴いていませんでした。
とはいえ平成もアラサーなこの時代の大学生にしては、彼も十分すぎるほどの尾崎好きですが。
ちょうどウォークマンを持っていた私は、彼にイヤホンを渡して聴かせてあげました。
彼は音楽を聞き始め、しばし沈黙が訪れました。
私も川のほうを眺めて、遠くに架かる鉄橋にバスが通りすぎるのを見ていました。
すると突然、私の片耳にイヤホンが差し込まれました。
なにごとかと振り向くと、彼が片方のイヤホンを私の耳に当てていました。
一つのイヤホンを片耳ずつするなんてバカップルかよ!!
こっちは緊張と恥ずかしさとその他諸々で変な汗が体中の穴という孔という穴から噴き出しているというのに、平然とした顔で音楽を聴いている彼。
こいつ距離の詰め方エグい…やっぱり陽キャ無理…と思った私はますます彼のことを苦手になりつつも、ちょっと尾崎トークができたのは嬉しかったとさ。
彼くま
でも尾崎繋がりは大きかったんだね。
当為
ゴミ箱購入デート?
あれから数日経って、学期前の語学クラスが始まってからのこと。
学生食堂で彼くまくんとばったり遭遇。
にこにこしながら彼はこう言い放ちました。
「ねえ、一緒にゴミ箱買いに行かない?」
男性が好意ある女性に対して用いる「ねえ、一緒に○○買いに行かない?」の定型文にまさかこのワードをハメ込むなんて一体誰が予想したでしょうか。
「なぜか寮の部屋にゴミ箱がなくてさ。」
年齢=彼氏いない歴の喪女もさすがに確信。こいつ私のこと好きだと。じゃなきゃ無理やりあの心ときめく定型文に汚物ワードを放り込むはずがないと。
これまで恋愛経験0だった私は、なんとなく興味本位で彼のダストボックス探しに付き合いました。
彼くま
当為
彼のfacebookを読み、近い人間なのではと思う
こぶしといい、オザキユタカといい、ゴミ箱といい、なんだかんだ印象を突き付けてくる彼。
いつの間にかなんとなく気になる存在になっていました。
そんなある日、facebookを見ていた私は同じ留学生のグループに彼のアカウントを発見。
思い切って友達申請をしました。
すると承認され、それまで鍵がかかっていた彼の投稿内容が閲覧できるようになりました。
そこには、彼の詩作が載っていました。
それは、自己の内面や社会について吐露した暗く激しいもの。
中二病と言ってしまえばそれまででしたが、彼の作品は豊かな語彙力と的確な表現に支えられていて確かな文才を感じました。
そしてなにより、私の感覚に近い人間なのではないかと思いました。
ずっと彼は自分とは住む世界の違う人種だと思っていましたが、実は根本は近い存在なのではないかと感じたのです。
そこで私は彼を散歩にお誘いしました。
「トゥギャザーしようぜ」(現地語で)
彼から告白され付き合うことに。
それから何度か二人で散歩したり、食事をしたりしました。
話していくうちに、やはりこの人は根本の感覚、自己やその周囲に対して抱いている感情が私と近いということをほぼ確信。
二人で会い始めた最初の頃は、
次の行き先を決めるのにいきなり広場のど真ん中で目をつぶって回転しだし、ストップと言ったときに見ていた方向に行く!などと言いだして、もう陽キャなのかすらよくわからないテンションの持ちようでしたが、徐々に陰キャが顔を出し始めました。
ある日夕方から二人で散歩に出かけたとき、ふいに見つけたレストランに入り談笑していたところ、彼から告白されて付き合うことに。
彼くま
当為
彼くま
以上が私たちのなれそめです。
最後に
彼くま
当為
最後まで閲覧して頂きありがとうございました。